りんかと学ぶ心理学① 認知的不協和

えも「はぁ~やる気出ない。えもくないよ~。」

 

りんか「どうしたの?えもちゃん。」

 

えも「りんか!いや、最近さ、2学期は始まるし、ジュエルチャンスは私だけ来ないし、えもくないんだよね。」

 

りんか「それは大変ね。」

 

えも「でも落ち込んでもしょうがないよね。頑張っていかないと。元気えもいっぱ~つ。」

 

りんか「えもちゃん、でもその考えは危ないわ。」

 

えも「え、どうして?」

 

りんか「状況が何も変わっていないもの。えもちゃんが2学期がいやなのは宿題が全部できていないからだし、ジュエルチャンスが来ないのも、そうね・・・誰かに嫌われているのかもしれないもの。それをまずなんとかしないといけないわ。」

 

えも「でも宿題は嫌だし、嫌われるとか考えたくもないし・・・」

 

りんか「そうやって、現状から逃げて、気分だけ変えようとすると『認知的不協和』という状態になってしまうわ。」

 

えも「にんちてきふきょうわ?難しくて分かんないよ~」

 

りんか「まず、認知はとりあえず『理解』だと思えばいいわ。不協和は2つのことがうまくいっていないこと。」

 

えも「で、認知的不協和って?」

 

りんか「いちばん有名な例がDV、家庭内暴力ね。恋人が自分に暴力を振るうという悪い状況への認知と暴力は愛情表現ではない常識は矛盾する。この矛盾した状態が認知的不協和で、人は矛盾の気持ち悪さをなんとかしないといけないと思うから、状況じゃなくて常識を歪めてしまう。そうなると気持ち自体も変わってしまって、例えば、『彼は私のことが好きだから暴力を振るうの』、みたいに思っていまうの。」

 

えも「ユズルさんとめが姉ぇみたいな関係か。」

 

りんか「お兄ちゃんはそこまで弱くないから違うわ。ともかく状況を変えずに気持ちだけ変えてしまうと、ただの問題の先送りで後々厄介なことになってしまうわ。」

 

えも「は~い。気をつけるよ。」

 

りんか「でも、この認知的不協和はとても大事な気持ちなのよ。恋愛もこの認知的不協和が原因で生じる減少だと言われているわ。」

 

えも「え、なにそれ、超えもい。りんか先生、教えて」

 

りんか「調子に乗らないの。人が恋に落ちるときは、だいたいその人にとって運がよくて嬉しくなったときだと言われているわ。理由がわからないけど嬉しいという状況と、良いことが起こるには何か理由が必要だという常識のずれがあって、それをなんとかするために、目の前のあの人のことが好きだから嬉しいのだと常識を歪ませるのが人を好きになる原理だと言われているわ。」

 

えも「そう考えると、意外と人間って単純だね。」

 

りんか「そうだ、『吊り橋効果』のことも話しておくわ。」

 

えも「いや、もう今日は勉強し過ぎたから、もういいかなって・・・。って聞いてないか」

 

りんか「吊り橋効果は吊り橋に男女に渡ってもらったとき、渡ったあと、互いのことが好きになっている減少よ。心拍数が上がっているという状況と怖いので心拍数が上がるという常識は特にカッコつけたがりの人にとっては受け入れがたいものだわ。それを変えるために心拍数が上がった原因を好きだという気持ちにすり替えるのね。これはお化け屋敷でも同じことが言えるわ。」

 

えも「あたし、宿題やりに帰るよ。今日は色々教えてくれてありがとう。」

 

りんか「あら、帰っちゃったわ。変なえもちゃん。」

 

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えも「これからはちゃんと勉強して、りんかにつけ込まれないようにしないと・・・。」